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優しさは時にはボケにする。   

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年負うと家族は皆、優しくいたわってくれる。
 
  でも、その優しさがボケにつながる事も有ります。

  心配でも行動を見守って本当に必要な時にだけ

  手を貸してあげる事だと思います。

  私の母はお勝手仕事が大好きで

  煮付けも上手で近所の人寄席の時は

  かならずひっぱり出されていました。

  そんな母も年老いて少しづつボケが出はじめたら
  
  上手だった煮物も全く食べた事もない味に成り

  時には途方もない煮物をしたりするようになってしまいました。

  そんな母を見て姉がお勝手に入るようになり

  母は自分の職場を取られた気持ちになり

  生き甲斐がなくなってしまったようです。

  母は私の送り迎えで家に良く遊びに来ました。

  そんな母は私に、お勝手に入って何かをしようとすると

  「私がやるからいいよ」と言われ

  やる事がなくなってしまったと、こぼしていました。
  
  まだ完全にボケていないので、

  そんな母を見るのが辛かった。

  明るくて人の噂話もしない本当に優しい母でした。

  私が実家に行くと喜んでくれて、私の家に泊まりたいと

  言うので連れて来るのです。

  お茶を出してから

  私は母が泊まってトイレに行って鍵が開かなくなると

  いけないのでトイレの鍵をドライバーで外し、これで良しと

  思ったとたん、家が心配だから帰ると言いだす。

  来たばかりなのに又送って行く。

  そんな事が度々有りました。

  母もボケが酷くなり姉と交代で泊まって世話をして来ましたが

  姉と私との考え方の違い看病の仕方の違いで

  喧嘩もしました。

  どんなにボケてもそれなりのプライドも有るので

  私は、どんなに馬鹿げた事をしてもプライドを

  傷つける事は云わなかった。

  看病は本当に大変です。

  でも子供に戻ったと思えば、いとおしい気持ちになって

  気も楽に成ります。

  歳だから無理をしないでと言う優しさも有ります。

  でも時間が掛っても本人にやらせて

  見守る愛情もあって良いと思います。

  周囲でやりすぎると

  本人をダメにする、そしてボケの原因にもなる

  手を差し伸べるのは本当に何も出来なかった時で

  良いと思います。

  私の子供達は私の母を見てきているので

  私に対して、歳だからと言って、むやみに手を出しません。

  ですから自分で頑張るしかないのです。

  でも本当に助けが必要な時は黙っていても

  力になってくれます。

  「私は出来ない」「やれない」「分からない」なんて

  言わないで 、やるっきゃないよ!

  ボケない為に。 

  
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by torai219f | 2011-06-11 00:00

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